【完全保存版】素人1人でも出来るDIY打ち抜き井戸掘りマニュアル

我が家では、自分で掘った井戸に電動井戸ポンプをDIY設置しました。

その井戸から汲み上げた井戸水は、家庭菜園の散水やプール、水遊びなどに活用しています。

井戸水のランニングコスト(電気代)は水道水の1/20程度なのでとても経済的です。

ただ、自宅に井戸がほしいなぁと思っても、

など、分からないことがたくさんあるのではないかと思います。

そこで今回は、素人が1人で打ち抜き井戸を掘るために必要な情報や井戸掘りのノウハウについて詳しくお話していきます。

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井戸掘りの大まかな流れ

まずはじめに、井戸掘りの大まかな流れについてお話していきます。

井戸水を井戸ポンプなどで汲み上げるためには、地下水が流れているところまで地面を掘っていく井戸掘りという作業を行い、その後井戸に井戸ンプを設置するという流れになります。

DIY施工の費用と日数の目安

①地下水が出るまで井戸を掘る(井戸深さ約6mの場合)

  • 費用;約2万円(井戸掘り道具作成費用含む)
  • 施工日数;5~6日(週末の実稼働日の合計)

②井戸ポンプを設置する(中古品の浅井戸ポンプ場合)

  • 費用;約2万円(中古井戸ポンプ+その他材料費)
  • 施工日数;1日

この記事では特に①の井戸を掘るというステップの解説が中心となっています。

井戸ポンプの選定や井戸ポンプの設置に関することが知りたい場合は、以下の記事が参考になると思います。

>>井戸ポンプの種類と選び方、DIY設置方法まとめ

事前に井戸水が出るかどうか調べておく

井戸はどこにでも設置できるというわけではなく、地下水のある場所に掘らないと水が出てきません。

業者の人に聞いてみるとわかりますが、井戸水が出るかどうかは地域によって大きく異なっていて、実際に数十メートルも井戸を掘り進めても地下水脈にあたらない土地があるのも事実です。

DIYで井戸掘りをする場合、砂礫(小さな石のこと)の大きさが10mm以下であることも重要です。

10~20mm以上の石や砂利がごろごろしているような場所の場合、業者が専門の道具を使っても井戸を掘るのに苦労してしまいますので、そのような場所の場合は井戸掘りを諦めたほうが無難です。

こういった地下水の有無やDIY出来る地質であるかどうかについては、以下の方法で調べていくことができます。

近隣のボーリング調査のデータを調べる

ボーリングとは、地質・鉱床調査などのために、地中に細く深い穴を掘ることで、そのデータを見ることでその地点の地中の様子を知ることが出来ます。

国土交通省の宅地防災データベースで井戸掘りの前にボーリングデータを確認

出典 データベース|国土交通省

例えば、上記のサイトで調べた私の家のすぐそばのボーリングの調査結果を見てみましょう。

家の近くのボーリングデータ

地下水脈があるといわれている地質は「砂礫(されき)」と呼ばれる地質です。

上のボーリングデータから、地中約4~6mのところにその「砂礫」の地層があり、また「含水量も多い」という記載があります。

また、その上の地質も砂が多い感じなので、この条件であれば自作の井戸掘り器でも比較的簡単に井戸を掘ることが出来るだろうという判断となりました。

このように、事前に近隣のボーリングデータを確認する事で、どのくらい井戸を掘れば水が出てくるのか、ある程度予測する事が出来ます。

私が井戸を掘った時は、実際にこのような小さな石が4~6mの深さで掘り出され、約6mの深さまで井戸を掘ったところで、井戸ポンプを使って井戸水を吸い上げています。

井戸の底の小石

もし上のボーリングの調査結果で10m以上掘らないと「砂礫+含水量が多い」という地質にあたらない場合はDIYで掘るか、業者に頼むほうがいいか、よく検討してからはじめたほうがいいでしょう。

とうのも、DIYで井戸を掘る場合は、塩ビパイプで作る簡易的な井戸掘り道具を使いますが、10m以上の深さをその道具で掘り進めるとなると井戸掘り道具の強度が足りなくなりしてきますし、井戸に設置する井戸ポンプもホームセンターなどで安く手に入る浅井戸ポンプでは対応できなくなってくるからです。

>>井戸ポンプの種類と選び方、DIY設置方法まとめ

また、10mm以上の石が沢山あるような地質がある場合、自作の井戸掘り機では石を井戸の底から取り上げる事ができませんので、DIYで井戸掘るのは諦めたほうがいいでしょう。

もちろん、そういった状況でも臨機応変に専用の道具を自作したりして井戸を掘り進めた人もいますが、条件が悪くなるとその分、費用も時間もかかってきてしまいますので、もし地質条件が悪い状況でも井戸を掘ると決めた場合は、そういったことを覚悟してから井戸掘りを始めたほうがいいと思います。

近所の井戸の設置状況を調べる

ボーリングデータ以外の井戸水が出るかどうかを調べる方法としては、近所の井戸の設置状況を調べるという方法もあります。

例えば、下水道管理局に行けば地域の井戸の設置状況を知ることができます。

というのも、井戸水を庭の散水や水遊び以外に、お風呂やトイレ、洗濯機などでも使用する場合、井戸水が下水道も流れていくことになります。

そういった使い方をする場合は、井戸を設置すると同時に下水道局に下水道使用申請を出す必要が出てくるため、下水道局は井戸の設置状況などが集まってきています。

ですので、井戸を掘る前に「井戸を掘ることを検討している」という名目で下水道管理局に行き、担当の人に下水道使用申請や下水道料金のことを聞くついでに、自宅の周りで井戸が設置されているか聞いてみるといいでしょう。

細かなデータは個人情報保護の観点から教えてもらえませんが、ざっくりとどの地域に井戸が沢山あって、どのような使用用途で使われているかぐらいであれば教えてもらうことが出来ると思います。

この他に、近所の人や地域の井戸掘り業者に自宅周辺の井戸のことについて聞いてみるのもいいと思います。

運よく近所の人で井戸を使っている人がいる場合は、井戸の深さや水質などについても参考のために教えてもらいましょう。

特に井戸水利用で困ってしまうのがカナケ(金気、鉄イオン)で、せっかく自分で井戸を掘ったとして出てきた井戸水がそういった水質だと、家庭菜園の水やりや水槽にも使えませんし、水遊びで使うのも気が引けてしまいます。

この場合、気持ちよく井戸水を使うためには鉄分除去装置を取り付けたりする必要が出てきてしまいますので、事前に井戸水の水質などの情報も分かっていると井戸を掘るべきかどうかの判断がしやすいと思います。

井戸水のカナケに関しては、いくつか参考になるサイトがありましたので、そういったサイトも参考にしておくことをおすすめします。

>>掘った井戸はカナケ水|多次元への回帰物語

>>『カナケとの戦い』|私の井戸掘り体験記

>>井戸の復活|60才からがおもしろい

もし近所にそういった情報源がない場合は、防災井戸マップ(市区町村ごとに作成している)などを調べてみると、住んでいる場所が井戸水活用の盛んな地域かどうか判断する目安になると思います。

具体的な調べ方としては、「〇〇市 防災井戸」などとWEB検索するか、以下のページからお住いの地域の防災井戸マップを調べることができます。

>>災害時協力井戸リンク集 – 国土交通省 国土技術政策総合研究所

事前に井戸掘りに関する届出や許認可について調べる

ここまでの話で、自宅で井戸水が出るかどうかということについてはある程度分かってくると思います。

それに加えてもう一つ、井戸水を汲み上げることに対して届出や許認可が必要であるかどうかということについても事前に調べておいたほうがいいでしょう。

家庭での井戸掘りに関する許可申請は大きく分けて以下の4つの種類があります。

  1. 井戸水を汲み上げることに関する許可申請(都市部に多い)
    →家庭用の場合、井戸ポンプ出力300W以下、吐出配管断面積6c㎡以下(配管内径27mm以下)の場合は不要になることが多い。
  2. 井戸水を下水道に流すことに関する許可申請(都市部に多い)
    →下水道を利用している地域で、井戸水を風呂や洗濯、トイレ、洗面などで使う場合は必要。田舎の浄化槽での下水処理地域は不要。
  3. 井戸水を引用することに関する許可申請
    →特別な許可申請は必要ないが、年に1度の水質検査が必要。
  4. 防災井戸として補助金を受け取るための申請
    →災害時の周辺住民への井戸水の利用許可などを条件に井戸の設置、修繕メンテナンス費用の一部を助成。

特に都市部の場合、ちょっとした家庭用の小型井戸ポンプを設置するという場合でも、1の届出や許可申請が必要になることがあります。

例えば、ヤフオクなどに売られている格安の浅井戸ポンプ(約15000円)の場合、吐出配管(25A、配管内径が25mm)の基準はクリアしているのですが、ポンプ出力が370Wと強力であるため、ポンプ出力300W以下であれば届出不要という基準をオーバーしてしまうことになります。

井戸掘りを始める前に、お住いの地域で井戸水を使う場合、どのようなルールの中で使用していく必要があるのかイメージしておくほうがいいと思います。

こういった井戸掘りに関する届出や許可申請の内容については、こちらの記事に詳しくまとめてありますので、ぜひ参考にしてみてください。

>>【井戸掘り】ポンプ設置や下水道排水に必要な申請許可まとめ

DIY井戸掘りに必要な道具について

ここからは、DIY井戸掘りに必要な道具についてお話していきます。

【井戸掘り道具その1】井戸掘り器(自作品)

井戸は穴の掘り方によって大まかに3つの種類(掘り抜き井戸、打ち込み井戸、打ち抜き井戸)に分かれいますが、今回はDIY施工が比較的簡単で井戸水の流量も確保しやすい打ち抜き井戸を作っていくことにしました。

>>井戸掘りの種類と費用まとめ(掘り抜き、打ち込み、打ち抜き)

打ち抜き井戸は、このような塩ビパイプを材料とした手作り井戸掘り器で地面に穴を掘っていきます。

この井戸掘り器でどのように井戸を掘っていくのかということについては、こちらの動画を見ると分かると思います。

具体的には鞘管と呼ばれる配管の中に水を入れ、井戸掘り器で井戸の底をとんとんとつついてあげると、井戸掘り器の中に底の砂が入ってきてそれを引き上げて取り出していくイメージです。

この井戸掘り器の具体的な作り方は、以下のような感じです。

基本的な材料はホームセンターで購入することができ、費用はおおよそ2000~3000円ぐらいです。

この道具がなければ井戸掘りができませんので、まずはこの道具を作るところから始めていくのがいいと思います。

具体的な作り方については、こちらの記事が参考になると思います。

>>DIY井戸掘りで使った自作井戸掘り器とその使い方の説明

【井戸掘り道具その2】塩ビ管(VU75~VU100)

打ち抜き井戸は、鞘管(太めの塩ビパイプ、VU75やVU100など)の中に井戸掘り器を突っ込んで底にある土を取り除きつつ、鞘管に砂袋を2~3袋を引っ掛けたり、ハンマーで叩き込んだりして鞘管を地面の中に打ち込んでいって作ります。

最終的には、この鞘管に井戸ポンプの揚水パイプを突っ込み、水を汲み上げるという流れになります。

作業性も考えると、長いパイプを使うより1mの塩ビパイプを打ち込んでは接続するということを繰り返していく方がいいと思います。

ちなみに、塩ビパイプの径は大きいほうがたくさん水量を出すことができますが、パイプを打ち込む際の力もたくさん必要になります。

私の場合はVU100(内径が100mmのパイプ)の方をチョイスした結果、実際に井戸ポンプを設置した後に測定した結果では、1分間に15Lの水を汲み上げることができました。

実際に井戸から汲み上げることが出きる水の流量については、井戸を掘る場所の地質や含水量、井戸に使った鞘管の内径、井戸ポンプの大きさによって変わってきますので、上記の値はあくまでも参考値として考えてください。

【井戸掘り道具その3】その他

この他に、下記のような道具を準備して使っていきました。

  • 脚立(井戸を掘る時に使う)
  • 砂袋(鞘管を押し下げるための重しに使う)
  • バケツ(水をくんだり、井戸掘りで出た土を運んだりする時に使う)
  • スコップ(井戸の掘り始めなどに使う)
  • ノコギリ(塩ビパイプの切断に使う)
  • ハンバー(鞘管を叩き入れる時に使う)
  • 電動ドリルとドライバー(井戸掘り器を作る時に使う)
  • 塩ビパイプ用の接着剤(鞘管の接続時に使う)   など

基本的には家にあるものを中心に準備しておき、必要な時に必要なものを用意するという感じでOKだと思いますが、ざっくりとこれぐらいの道具があればいいんだということを理解しておくといいと思います。

なお、井戸ポンプ設置に必要なものについては、こちらの記事が参考になると思います。

>>井戸ポンプの種類と選び方まとめ

>>中古で手に入れた浅井戸ポンプをDIYで設置する方法

DIY打ち抜き井戸の掘り方

ここからは、DIYで打ち抜き井戸を掘る具体的な方法についてお話ししていきます。

【STEP1】井戸を掘る場所を決める

まずは、井戸を掘る場所を決めていきましょう。

井戸を掘る場所を決めるポイントは2つ。

  1. 井戸掘りの作業性
  2. 井戸ポンプや井戸の使用用途

1.井戸掘りの作業性(スペース)について

DIYで井戸掘りをする場合、井戸の周りが広く、障害物が少ない必要があります。

なぜなら、DIYで井戸を掘る場合、塩ビパイプを使った井戸掘り道具で井戸を掘って行くのですが、道具の長さが井戸の深さと同じぐらい担ってくるため、道具を井戸に入れたり出したりする時にある程度のスペースが必要になるからです。

こちらが実際の作業風景の動画です。

この時、約6mぐらいの井戸深さですが、塩ビパイプで使った井戸掘り道具も相当長くなっていて、 井戸掘り道具を出したり入れたりするスペースがある程度必要なことがわかると思います。

ですから、DIYで井戸掘りをする場合は、ある程度広いスペースを確保できる場所を選びましょう。

2.井戸ポンプの設置や使用用途に最適な場所

井戸水が出ました

井戸を掘った後、井戸のそばに井戸ポンプを設置します。

もし、井戸水を庭の散水や洗車など屋外だけで使う場合は、このような庭の隅っこに設置する事を考えればよいでしょう。

【STEP2】手掘りスコップなどで1m程度掘り進める

手掘りで1mほど井戸を掘り進める

井戸の設置場所が決まったら、まずは手掘りスコップで50×50cmの穴を1mぐらい掘り進めます。

この程度の深さなら大きめスコップで一時間もあれば簡単に掘れますから、ささっとやってしまいましょう。

【STEP3】鞘管の設置

打ち抜き井戸の鞘管(さやかん)を設置

次に、鞘管(さやかん)を穴の底に設置していきます。

鞘管とは、打ち抜き井戸の外周を覆う塩ビパイプ(下図)のことです。

DIYで井戸掘りする方法の鞘管(さやかん)の説明

多くの場合、直径75~100mm程度の塩ビパイプ(VU75、VU100)を使います。

鞘管の底部は開放されていて、更に先端の1m部には無数の小さな穴を開けることで、そこから地下水を鞘管の中に導きます。

また、鞘管の底部に継ぎ手を取り付けておくことにより、塩ビパイプと壁面の摩擦を抑えることができます。

こうする事によって、鞘管の内部の土を専用の井戸掘り器で取り出すたびに鞘管の下に空洞が出き、鞘管の上部に土嚢(どのう)などを2~3袋ほど引っ掛けておけば、その重さで自然に鞘管が地面の中に沈み込んで、打ち込まれていきます。

土嚢袋のおもりを使ってもなかなか鞘管が沈んでいかない場合は、十分に鞘管の下の土を井戸掘り機で取り除いてから土嚢袋は引っ掛けたまま、鞘管の上に当て木をしてゴムハンマーなどでドンドンと叩いてやると沈んでいきやすくなります。

土嚢袋が地面に着地してしまった段階で次の鞘管(1m)を継ぎ手を使って接続し、また同じ作業を繰り返して鞘管を地面の中に埋設していきます。

【STEP4】専用の井戸掘り道具の作成

弁利用型井戸掘り器という井戸掘り道具

鞘管を設置したあとは、井戸掘り道具を使って鞘管の中から井戸の底の土を取り出していきます。

その時に使うのがこの井戸掘り道具。

これは、「弁利用型井戸掘り器」と呼ばれるもので、先端部にゴム製の弁を設けてあり、水と一緒に井戸の底の土や砂利をパイプの中に巻き上げることによって、井戸の底の土をすくい上げる道具です。

作り方は簡単で、主に塩ビパイプやゴム板を使って簡単に作ることが出来ます。

DIYで井戸掘りする方法の弁利用型井戸掘り器

この井戸掘り器の具体的なな使い方は以下のとおりです。

弁利用型井戸掘り器の具体的な使い方

  1. 鞘管の中に水をたっぷりと注ぎ入れておく
  2. 井戸掘り器を鞘管の中に挿入する
  3. 井戸掘機の先端で、鞘管の下にある土砂を何度も突く
  4. 井戸掘り器を引き上げて中に溜まった土や砂を取り出す
  5. 鞘管が勝手に沈んでいかない場合は、鞘管の上に当て木をしてゴムハンマーなどで叩き入れる

基本的には、上記のような工程をひたすら繰り返して井戸を掘り続けて(鞘管を地面に埋設し続けて)いきます。

【STEP5】目標深さまで掘り進める

あとはひたすら井戸を掘り続けていくだけなのですが、途中で全然掘れなくなって一日で数センチしか進まなかったり、井戸掘り道具が壊れたり・・・様々なトラブルがあって挫折しそうになることもあると思いますが、めげずにひたすら掘り進めましょう。

井戸を掘っていく中で、土の質が変ったりするところや、地下水が出てきたりして、楽しいことも沢山あります。

井戸を掘り続けていくと、水を鞘管の中に注入しなくても勝手に水が溜まってくるちょうになります。

井戸を掘り始めてから4~5日が経過した頃だっと思いますが、このときは本当に嬉しかったです。

そしてその鞘管内の地下水の水深が約1~2m程度になったら、井戸掘りは完了です。

もう少し具体的に言うと、理想的な井戸の深さは、砂礫から粘土質の層に変化する直前の高さに鞘間の先端が届くぐらいがベストといえます。

というのも、ここまで井戸を掘り進めて行くと分かると思いますが、水をたくさん含んでいる層というのは「砂礫(砂)」の層であり、その層の中に鞘管の先端が入っていれば、そこからその層に含まれている水を吸い上げることができます。

逆に、その砂礫の層を通り越してしまい、鞘管の先端が土や粘土などの層に到達してしまっている場合、その層は水をあまり含んでいないため、水を吸い上げることが難しくなります。

先端の鞘管の周りにはたくさんの穴を開けているので鞘管側面からも井戸水が流れ込んできますが、一番の井戸水の取り入れ口は鞘管の先端部分の開放面ですので、その部分が地下水の流れていない層まで到達してしまわないよう最新の注意をはらいましょう。

最初の方にお話した近所のボーリーングデータなどがあればどれぐらいの深さにどのような地層があるということが分かったりますので、そういったものを参照することも大切です。

なお、「鞘管の先端の深さ」は「井戸掘り機の先端の深さ」ではないので、もしかしたら下記のように鞘管の先端の下側に空洞ができていて、井戸掘り機を突っ込むたびに内部で壁が崩壊してしまうことがあります。

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鞘管の下にある程度空洞ができるのはOKですが、鞘管の先端が確実にシルト層を通過し、砂礫の層にまで届いているかどうかということについて、鞘管を何本繋いだか数えてみて確認しておきましょう。

井戸の設置が完了した後にシルト層が崩れてしまって井戸水が吸い上げられなくなったなんて事になると大変ですからね。

また季節的な注意点として、夏場に井戸掘りをする場合、冬場の地下水面の低下したりします(数十センチ程度)ので、その分も考慮した井戸の深さにできると最高です。

【STEP6】井戸ポンプの設置

井戸が掘れたら次は井戸ポンプを設置していきます。

今回の場合、井戸の深さは6m程ですから浅井戸ポンプで対応できる井戸深さとなります。

私の場合、家庭菜園の散水や水遊び、洗車などへの使用がメインとなってきますので、手動の井戸ポンプではなく、電動の浅井戸ポンプを選ぶんで取り付けていくことにしました。

サクションホースの先端を井戸の中の地下水の中に挿入し、そのホースを塩ビパイプに取り付けポンプの吸込み側へ接続していきます。

井戸ポンプの吐出側は塩ビパイプを使って蛇口を取りつけていきます。

具体的な井戸ポンプの選び方や取り付け方、取り付けに必要なものなどについては以下の記事にまとめてありますので、そちらをご覧ください。

>>【メリットとデメリット】井戸ポンプの種類と選び方まとめ

>>【DIY井戸掘り】浅井戸ポンプを自分で設置する具体的な方法

実際に取り付けた井戸ポンプで水を汲み上げて見たところ揚水量は12L/分でカナケもなく、透明な井戸水を手に入れることができました。

実際に使用する前に井戸水の水質検査も行いましたが、こちらも多少大腸菌など検出されましたがそれ以外は良好で、家庭菜園の水やりから夏場のプールまで井戸から汲み上げた井戸水が大活躍です。

井戸水のプールで泳ぐ

最後に一言

今回は、DIYで井戸を掘る方法についてまとめてみました。

この記事で紹介している井戸掘りにかかった日数は約6日で、かかった費用は4~6万円(中古井戸ポンプ設置費用含む)です。

実際に井戸を掘り始めると、本当に色んな障害に直面します。

私の場合、もう一度別の場所で井戸を掘り直すなんてこともありました。

井戸を掘るのは技術的に難しいところはあまり無いのですが、労力と共に精神力も必要となります。

ですが、井戸ポンプから井戸水が出てきて、その井戸水を使って生活するなんともいえない幸せは、誰かに頼んで井戸を掘ってもらうより、何倍も感じられます。

そんな波乱万丈の井戸掘りに、ぜひ皆さんも一度挑戦してみてくださいね。

それでは!

DIY井戸掘り
井戸掘り士

当ブログの運営者。夏場に子供たちが思う存分水遊び出来るようにするため、独学DIYで井戸掘りから井戸ポンプ設置を行う。井戸水が出ない、井戸ポンプの故障修理なども経験しながら充実した井戸水ライフを楽しんでいる。

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