井戸水を使った冷風扇の節約効果

我が家で大活躍している井戸水冷風扇。

一日の電気代(朝7時~夜7時まで約12時間連続運転した場合)はたったの15円しかかかりません。

しかも、たったこれだけの設備で家中を全館冷房できるので、どの部屋に行ってもひんやり涼しく快適です。

ただ、この電気代を大幅に節約できる井戸水冷風扇には、使ってみないとわからないようなデメリットがあるのも事実です。

今回は、そんな我が家の夏に欠かすことのできない井戸水冷風扇について、詳しく説明していきます。

一般的な冷風扇の原理とメリットデメリット

まずはじめに、ホームセンターなどで売られている一般的な冷風扇の原理についてお話していきます。

冷風扇(れいふうせん)とは、水が蒸発する際に気化熱を奪うことを利用した、主に家庭用の簡易な冷房装置のことをいいます。

出典)スポットクーラー 気化式冷風機 フォグジェッター|太田機工株式会社

まず、吸気用のファンが回転し、背面等から外気を吸い込みます。

水分を含んだ蒸発用のフィルター(スポンジや厚手の不織布等)のすき間を吸気された空気が通る際に水の蒸発が起こり、気化熱が奪われてフィルター部の温度が低下します。

その温度が低下したフィルター部分を風が通ることにより、結果的に放出される風の温度が低下します。

冷風扇のメリットは、消費電力や騒音が小さく、エアコンなどに比べて小型で軽量、かつ安価なものが製作できるという点。

逆に冷風扇のデメリットは、水の気化を伴うため室内の湿度が上昇し体感的にはかえって蒸し暑くなったり、定期的に水を交換、または補給しなければならなかったり、水が汚れたりフィルターにカビが生えるなど不衛生になりやすく、冷却能力が小さいためエアコンのように部屋全体を冷却することは不可能といった点にありました。

ネットで検索すると
必ずと言っていいほど「悪く」書かれています。

その多くは以下のようなものです。

・思ったよりも冷えない
・湿度が上がって気持ち悪い
・部屋がカビ臭くなった

実際使ってみれば分かるのですが、
これは事実です。

結論から言うと
あまり役に立ちません。

引用)冷風扇とは?評判は?効果は?メリットは?|役立つ.com

ただ、我が家ではデメリットの多い冷風扇と井戸水を組み合わせることによって、全館冷房として実用的なレベルにまで改良することができました。

自作した井戸水冷風扇の構造

ここからは自作井戸水冷風扇の構造についてお話していきます。

井戸水冷風扇は、冷風扇の上部に小さな穴の開いた塩ビパイプを取り付け、そこから井戸水がちょろちょろと流れでるようになっています。

冷風扇の上部に井戸水が出てくる小さな穴の開いた塩ビパイプを取り付け

井戸水冷風扇の内部はこんな感じ。

井戸水冷風扇の内部

ケース内に収まっている塩ビパイプの小さな穴から井戸水がぽたぽたと落ち、下にある冷風扇の蒸発フィルターに落ちる仕組みになっています。

なお、この井戸水冷風扇は上部から常に井戸水が供給されるため、タンク内に水をためておく必要がありません。

ですので、冷風扇後方下側にある水タンクの栓は開けっ放しの状態で使っています。

井戸水冷風扇は水タンクの栓を開けっ放し

ちなみに、この井戸水冷風扇は網戸越しの室外に設置し、そこから室内に向けて冷風を吹き付けるように設置します。

井戸水冷風扇は網戸越しの室外に設置

こうすることによって、冷風扇に排水ホースなどを接続しなくて済みますし、冷風扇の運転音も若干小さくすることができます。

ちなみにこの冷風扇、どれぐらいの冷房能力があるか温度計を設置して測定してみると、外気温度(下図の温度計のIN)に対して吹き出し温度(下図の温度計のOUT)はー3~5℃程度の風を連続して吹き出すことができます。

温度センサーの取り付け位置

IMG_20150604_150553

ちなみに、この冷風扇の消費電力は30~50W(風量弱~強)で、井戸ポンプの消費電力は約6W(断続運転の平均、実測値)です。

一日12時間つけっぱなしにしたとしても、電気代は一日当たりたった15円程度にしかなりません。

ただ、ここで多くの人が疑問に思うことがあると思います。

「たったー3~5℃の冷風だけで全館冷房できるとは思えない・・・」と思ってしまいますよね。

実はその通りで、我が家ではこの井戸水冷風扇と以前自作した屋根裏換気システムの併用運転しています。

屋根裏換気システム

冷風扇のデメリットは、締め切った室内で使っていると湿気が充満してしまって、たとえ室温が下がったとしても体感温度が上がってしまうということでした。

でも、このような換気システムを使って常に熱気や湿気を2Fの屋根裏に排気し、1Fの窓からは冷風扇で冷やされた新鮮な空気を部屋に取り込んでいます。

井戸水冷扇と屋根裏換気システムで全館冷房

最近流行の「断熱気密」とは真逆の考え方ですが、それでも我が家の場合はこの方が効率よく家全体を冷却できているように感じます。

井戸水冷風扇の具体的な作り方

続いては、この井戸水冷風扇の具体的な作り方についてお話していきます。

まず、冷風扇の横幅より少し長めにカットした細めの塩ビパイプ(VP-13)にドリルで小さな穴(3mm)を20~30mmの間隔で空けていきます。

塩ビパイプに小さな穴を空ける

その塩ビパイプの片方は、シリコンシーラントなどを充填して塞いでしまいます。

塩ビパイプの片方をシリコンシーラントで塞ぐ

そして、その塩ビパイプと井戸水が流れてくるホースをこのような形で接続していきます。

井戸水が流れてくるホースを接続

続いては冷風扇の上部に先ほど作った塩ビパイプを通す穴を空けていきましょう。

今回は、半田ごてを使って穴を空けていきました。

冷風扇の上部に穴を空ける

冷風扇の2箇所に穴を空ける

反対側にも同じような穴を空けたら、あとは先ほど作った塩ビパイプをここに差し込みます。

塩ビパイプを冷風扇に差し込む

ここで注意点ですが、塩ビパイプの取り付け位置は、塩ビパイプから流れ出た井戸水がちょうど内部の蒸発シートの上部に水滴が落ちるような位置に設置するようにしてください。

井戸水冷風扇の内部

基本的に冷風扇のタンク内に水がたまらないような形で運用していきますので、蒸発シートへの水分供給は上から落ちてくるの井戸水のみになり、もし蒸発シートに水滴が落ちていないと、塩ビパイプから落ちが水がそのまま水タンクから流れ出てしまいます。

お疲れ様でした。

これで井戸水冷風扇の完成です。

井戸水冷風扇は網戸越しの室外に設置

井戸水冷風扇のメリット

続いては井戸水冷風扇のメリットとデメリットについてまとめておきます。

電気代を節約できる

井戸水冷風扇の消費電力は、冷風扇の30~50Wと井戸ポンプの約6W、そして屋根裏喚起システムの約20W程度なので、昼間の12時間つけっぱなしにしたとしても一日の電気代は約15~18円程度。

ひと月当たり約450~550円で家中を全館暖房できますので、冷房にかかる電気代を大幅に節約することができます。

安く自作することができる

冷風扇は新品でも数千円、中古なら1500円程度で購入することができます。

また、井戸水冷風扇を作るために必要な部材は、水道ホースや塩ビパイプなどホームセンターなどで購入できるものばかりですので、自作費用があまりかからないのが特徴です。

ちなみに我が家の場合は中古の冷風扇を500円で購入し、後はすべて自宅にあったものを流用して作りました。

連続流水式でタンク内に水を溜めないので雑菌が繁殖しにくい

一般的な冷風扇は水タンクの中に長時間水を溜めたままにしなければならないため、雑菌が繁殖しやすく、こまめに水を入れ替えたり、定期的に水タンクの中を清掃したりしなければなりませんでした。

今回紹介している井戸水冷風扇は、水タンクの中に水を溜めず、井戸水を連続して流排水しているため、水タンクの中で雑菌が繁殖しにくいのが特徴です。

こうやって井戸水冷風扇のメリットを見ていくと、井戸水冷風扇がすばらしいもののように感じられます。

井戸水冷風扇のデメリット

ここからは、井戸水冷風扇のデメリットについてまとめておきます。

除湿ができない

井戸水冷風扇は我が家の約19℃の冷たい井戸水の冷熱だけではなく、その井戸水が蒸発する時に発生する気化熱も使って冷風を作り出しています。

エアコンなどの冷房と違って井戸水冷風扇に除湿機能はなく、逆に加湿器のような作用を持っています。

つまり、井戸水冷風扇が得意とするのは、カラッと晴れた湿度の低い日の冷房であり、ジメジメした雨の日などに除湿機として使うことはできません。

また、湿度が高くなると水の蒸発量が減るため、吹き出し温度が若干高めになってしまう傾向があります。

湿度40%⇒温度差約5℃

IMG_20150604_150553

湿度80%⇒温度差約2℃

湿度の高い日は吹き出し温度が若干高くなる

特に梅雨の時期なんかはこの井戸水冷風扇の冷房効果はほとんど期待できません。

ですから、井戸水冷風扇があるからといって「もうエアコンは要らないよ」ってわけではありません・・・。

音が気になる

井戸水冷風扇は水が蒸発する時の気化熱を利用して冷風を出しているため、風量は「弱」にするよりも「強」にしておいたほうが吹き出し温度を下げることができます。

ただ、冷風扇によっては風量を強にすると、「ぶぉ~」というような音が気になる場合があります。

特に古い冷風扇は動作音が大きい傾向にありますので、井戸水冷風扇を自作する場合はベースとなる冷風扇の風量「強」の動作音を確認しておいたほうが良いでしょう。

外気温度が33℃を超えるとあまり冷えない

井戸水冷風扇は外気温より3~5℃程度冷たい風を出すことができます。

でも、外気温が33℃を超えてくる吹き出し温度も28℃(我が家の冷房設定温度)を超えてくるため、もはや井戸水冷風扇から出てくる風は「冷たい風」ではなくなってしまいます。

ですから、冷風扇の吹き出し温度が28度を越えてきた場合は井戸水冷風扇をやめて、これまで通りエアコンで冷房しています。

最後に一言

今回は、冷風扇を使って全館冷房する方法についてお話しました。

井戸水冷風扇はなるべく自然の力を上手に使って家を冷房する方法なので、すべてが思い通りに動いてくれるというわけにはいきませんが、必要最低限の機能は持っていると思っています。

このような自然なライフスタイルが好きな人はぜひこの井戸水冷風扇に挑戦してみてくださいね。

それでは!

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