お風呂や洗濯、それに夏になると子供達が毎日する水遊びやプールなど、我が家では本当にたくさんの水を使うので、水道代が相当高くて困っていました。
そこで思いついたのが、自宅の庭に井戸を掘るというアイデア。
井戸掘りについて色々調べてみると、打ち抜き井戸であれば自分で井戸を掘ることが出来るということ。
「じゃあ、早速やってみよう!」
ということで、この記事では自宅の庭に打ち抜き井戸を掘り、井戸ポンプや水道管を設置したときの様子(全6日間分)を日記形式でご紹介します。
なお、具体的な井戸掘りのノウハウが知りたい場合は、こちらの記事が参考になると思います。
>>【完全保存版】素人1人でも出来るDIY打ち抜き井戸掘りマニュアル
【一日目】一箇所目の掘り始め(0M⇒1.5m)
まずは井戸を掘る位置を決め、スコップで掘り始めます。
約1mぐらいまで掘り進むと、小石がなくなって小さな砂の層になりました。
ここで鞘管となるVP75(VUより肉厚タイプの配管、1Mを2つつなぎ合わせ)を挿入し、見よう見まねで自作した水圧式の井戸掘りきで掘り進んでいきます。
この水圧式の井戸掘りきは、塩ビパイプ(VP16)を継ぎ手でジョイントするタイプで、パイプの先端には細かな穴をあけた少し口の大きなペットボトルをビスで取り付けてあります。
鞘管に水圧式の井戸掘り器を入れ、水を流し込見ながら井戸掘り器を上下すると、井戸掘り器がどんどん下へ下へと下がっていきます。
井戸掘り器を取り出してみると・・・
こんな感じでペットボトルのところに砂が溜まりました。
これを繰り返して順調に井戸を掘っていたのですが、穴の深さが1.5Mぐらいになったところで、急に井戸が掘れなくなってしまいました。
初めての井戸掘りなのでまったく何が原因か分からなくて不安一杯の中で、井戸掘り一日目の作業はここで終了となりました。
【二日目】井戸掘り器を変更(1.5~2.0m)
二日目も、もういちど水圧式の井戸掘り器で井戸を掘り始めましたが、全く掘れている感覚がありません。
インターネットで色々と調べている中で風圧式の井戸掘り器と言うのを見つけ、井戸掘り器を水圧式から風圧式に変えて、井戸掘りを進める事にしました。
風圧式といっても、一日目に使った水圧式の井戸掘り器に水ではなく、このようなブロワーとホースを使って風を送っただけのものです。
風圧式の井戸掘り器を組み立てると、こんな感じになります。
鞘管の中に水を注ぎながら、ブロワーの電源をONにして、トントンと井戸掘り器を上下させると、少しづつですが井戸を掘り進むことができました。
水圧式の井戸掘り器で掘っていた時は砂浜にあるような砂ばかりでしたが、この風圧式の井戸掘り器に変えてからは、直径3~7mm程度の小石もペットボトルの中に入っていました。
水圧式ではうまく上げられなかった小石も、この風圧式の井戸掘り器ならバブルの勢いで上げることができるのでしょう。
と喜んでいたのもつかの間、今度は2.0m付近でまた掘れなくなってしまいました。
ここで一度作業の手を止めて、井戸が掘れなくなった理由を考えてみることに。
しかし、今回開けた穴がコンクリート塀のすぐそばに穴をあけたので、その基礎に当たってしまったのか、または大きな石がそこにあるのか、それともこの風圧式の井戸掘りきではうまく掘れないのか、井戸掘り初心者の私には、この段階では何が原因が分かりませんし、この作業を何度繰り返せばよいのかもまったく検討がつかなくなってしまいました。
試しに水圧式の井戸掘り器でもう一度チャレンジしてみるものの、全く全く穴は掘れませんでした。
井戸掘り二日目も、一日目と同じように井戸が掘れなくなった時点で終了としました・・・。
【三日目】井戸の場所替え&風圧式井戸掘り器(二箇所目、0M⇒2.3m)
井戸掘り三日目・・・、正直言って井戸掘りを始める前から気持ち的には相当まいっていました。
ですが気を取り直して、井戸が掘れなくなった原因を特定するために別の場所で井戸掘りを再トライすることに。
プロであれば井戸が掘れなくなった原因をすぐに特定することが出来るのでしょうが、今回が井戸掘り初めての私には、何が原因で井戸が掘れなくなったのか見当がつかないため、考えてもダメだと言う結論に行き着いたからです。
別の場所でも同じ深さで掘れなくなるようであれば、コンクリート塀の基礎や大きな石が原因で井戸が掘れなくなったのではなく、井戸掘り器が原因だったという可能性が高くなります。
その場合は、別の井戸掘り器を作って対応しようという作戦です。
二回目の井戸掘りなので、要領よくスコップで約1mぐらいまで穴を掘り、今回は始めから風圧式の井戸掘り器で井戸を掘り進めていきます。
前回の場所と同じように最初のうちは、面白いぐらいの勢いで穴が掘れていきました。
この時、ペットボトルの中に入っていたのは、やはり砂浜の砂のようなものばかりでした。
でも、前回穴が掘れなった2M付近になると、だんだんと穴が掘れなくなってきて、最終的には一箇所目と同じように全く穴が掘れなくなってしまいました。
この時点で前回と同じ状態に陥ったということは、穴の掘れない原因は場所なのではなく、この風圧式の井戸掘り器ということになります。
そこで、この風圧式の井戸掘り器を改良することにしました。
他にどんな井戸掘り器がいいか探していたところ、YouTubeにあった面白い構造の井戸掘り器を見つけました。
この動画で説明されている井戸掘り器は、パイプの先端に水と空気を送り込むことで、空気が水と一緒に砂や泥を一気に地表まで巻き上げるというもの。
この考え方は使えると思い、さっそく風圧式の井戸掘り器を改良してみました。
今まで使っていた風圧式の井戸掘り器の配管(VP16)の先端に、VP50のパイプを取り付け、更にその周りにペットボトルを取付けています。
この井戸掘り器なら、水と小石などが空気の力でVP50のパイプの中を勢いよく上昇し、飛び出した砂や小石をペットボトルでキャッチすることができます。
この井戸掘り器を使ってみると、また井戸が掘れるようになりました。
砂をキャッチするペットボトルが一つだけだと砂を取り出すために何度も井戸掘り器を穴から出し入れしなければならないので、途中からペットボトルを2つにして、どんどん掘り進めていきます。
調子よく穴は深くなっていくのですが、またまた問題発生です。
今度は鞘管(さやかん、VP75)が全然入って行かなくなってしまったのです。
土嚢をつるして、ゴム製のハンマーでたたいてもビクともしません。
ここで鞘管を叩きこむことはあきらめて、井戸を掘るだけ掘っていく戦法に切り替えました。
とにかく穴を掘っていけば、鞘官もそのうち入っていくだろう・・・
この時はそんな風に考えていました。
鞘官は1.5mのところで止まったまま井戸掘りを続け、井戸の深さが2.3mになってきたところで、3日目の井戸掘りは終了しました。
この段階では、まだまだ水が出てくる気配はありませんでした。
素人感覚で2、3日もあれば井戸は掘れるだろうと思っていたのに、現実はそう甘くありませんね・・・。
【四日目】弁利用型井戸掘り器(2.3M⇒3.0M)
四日目も鞘管はビクともしてくれないので、風圧式の井戸掘り器でそのまま井戸を掘り進めていきました。
しかし、井戸の深さが2.5Mぐらいになってきたところで、全然風圧式井戸掘り器のペットボトルに砂が溜まらなくなってきました。
一時間ぐらい格闘しましたが、全然ダメ。
またここで作戦を変えて、井戸掘り器を他の井戸掘りをDIY↓人の中で定評のある弁利用タイプを導入することに。
この井戸掘り器は、先端にゴム製の逆止弁が取り付けてあって、井戸の底にある水と一緒に砂や小石を筒の中に巻き上げることができます。
この井戸掘り器で井戸を掘り始めると、また少しずつ井戸が掘れ始めました。
今までよりももう少し大きな小石(10mm程度)も混ざった砂も上がってきます。
この結果、先ほどまで使っていた改良版の風圧式の井戸掘り器は、このような大きさの小石が混じっている地層では役に立たないことが分かりました。
そして井戸の深さが3.0Mぐらいまでは順調に掘り進んでいきました。
しかし・・・また全く井戸が掘れなくなりました。
またか~。
でも、もうこの時点ではこの「原因を推定⇒井戸掘りの方法を変える⇒井戸が掘れる⇒井戸が掘れなくなる」というパターンに慣れてきましたので、冷静に原因を考えていくことに。
そして、あることに気づきました。
水道水を井戸の中にいくら入れても、井戸掘り器で井戸を掘っている間に水が下にしみ込んでいって、井戸の底に全く水がない状態になっていたのです。
弁利用タイプの井戸掘り器は、水がある状態でないと砂や小石を巻き上げられない構造です。
ではどうすれば井戸が掘れるようになるのか?
こうなってしまった原因をよくよく考えてみると、鞘管が1.5Mの深さで止まってしまっているので、鞘管の下側にぽっかりと大きな穴ができている事が考えられました。
だから、いくら水を入れても井戸の底の空間が広くなったせいで、水が浸透する面積が広がってしまって、砂の中に水がどんどん浸透していってしまう。
やっぱり井戸掘り器と鞘管は同じペースで挿入していかなければ、井戸は掘れない事を実感しました。
そこまで原因を特定したところで日が暮れてしまったので、井戸掘り4日目は終了です。
【五日目】鞘管の差し替え、弁利用井戸掘り器(2.5⇒5.0m)
五日目は、今地面の中に刺さっている鞘管(VP75)を抜き出す作業から。
といっても、鞘管を抜くのに手の力だけでは、ビクともしません。
そこで、ホームセンターで単管パイプ(3M)と接続金具、そして金属製のフックのようなものを購入して、てこの原理でパイプを引き上げることにしました。
パイプにはんだごてで小さな穴を空けて、そこに金属製のフックを差し込みます。
そのフックのもう片方は、単管パイプに取り付けた金具にひっかけ、てこの原理でグイッとパイプを上に持ち上げます。
これでようやく鞘管が少しずつ抜け始め、何度かこの作業を繰り返すことで、完全に鞘管を抜きあげることに成功しました。
引き上げてみて感じた事は、鞘管(VP75)の継ぎ手の部分に太い継ぎ手を使っていたためその部分に段差ができ、地面とその段差の間で摩擦が生じていたということ。
この状態では、パイプと土との間の摩擦が大きくなってしまうため、鞘管が地中に入っていかなかったと結論付けました。
そこで次に入れる鞘管の先端にはパイプの継ぎ手を取り付け、本体よりも先端の外形が大きくなるようにしました。
また鞘管も4Mのつなぎなしのパイプ(VP75)をそのまま挿入することに。
こうすることによって、徹底的に地面と鞘管の間の抵抗をなくしていきました。
すると、今まで1.5m付近で止まってしまっていた鞘管が、2.5m付近までするすると入っていくではありませんか。
やはり、地面と鞘管の間の抵抗を減らしたことが有効に働きました。
そこからは、本当に順調で、弁利用タイプの井戸掘り器で3.5m付近まで一気に掘り進み、鞘管も同じペースで入っていきました。
4mの鞘管が地中に埋まりましたが、まだ水は出てきません。
1mの鞘管を肉薄タイプの継ぎ手を使って繋ぎ、また掘り進めていきます。
ここでまた弁利用タイプの井戸掘り器で砂を巻き上げることができなくなってきました。
井戸掘り器を、水圧式や風圧式に変えて試してみてもダメ。
またこのパターンですね(苦笑)
あれこれ2時間ぐらい掘れない井戸掘りと格闘していた時に、弁利用タイプの弁部分の改良を思いつきました。
今までは、弁部分が全て開く構造になっていましたが、ビスを使ってゴム製の弁が半分だけ開くようにして、井戸掘り器を押し下げた時に筒の中に砂を巻き上げる水流を早くし、効率よく砂を筒の中に巻き上げる構造に変えてみました。
そうすると、今迄で一番井戸の底の小石をたくさん取り上げられるようになりました。
今までの弁の構造では、小石は砂の中に少しだけしか巻き上げることは少ししか出来ませんでしたが、弁を半分だけ開くようにしたことで勢い良く水が流れ込むようになって、それと同時にいままで巻き上げられなかった小石も筒の中に入るようになったのでしょう。
この改良で、驚くほど井戸掘りがスピードアップして、4.5Mぐらいまで一気に井戸が掘れていきました。
そして、ついにその辺りでようやく水が湧いてきました。
やった~!!
今までは井戸の底に水がすぐにしみこんでいっていましたが、水を井戸の中に入れなくても井戸掘りを進めていくことが出来るように鳴りました。
その調子で井戸を掘り進めて行き、井戸の水深が50CMぐらいになったところ(鞘管5m挿入)で井戸掘りを一旦中断し、井戸の水量や水質を確認するために、井戸ポンプを注文する事にして、五日目の作業を終わりにしました。
ようやく井戸掘りに目処がつきはじめ、安堵の気持ちです。
【六日目】弁利用井戸掘り器(5.0⇒6.0m)
井戸掘り六日目はスムーズに井戸を掘ることができ、一時間で1メートル進みました。
ちなみにその時に撮影した動画がこちら。
こんな感じでどんどん井戸の底の砂を取り出していきました。
今回は夏場の井戸掘りだったので、水深を少し深めの1.5Mとし、ここで6日間かかった井戸掘りを完了としました。
最後に一言
今回は、【水道代を大幅節約】DIY井戸掘り&電動ポンプの設置の記録についてお話しました。
いや~、DIY井戸掘りは本当に楽しかった(*^^)v
これから井戸ポンプを注文して、設置して、ポンプからきれいな井戸水がでればOKです。
さあ、次は井戸ポンプの設置だ~!
■井戸ポンプの設置についてはこちら
https://idohori.nagoya/idoponpu-secchi/
それでは!