井戸ポンプの種類と選び方、DIY設置方法まとめ

井戸ポンプの種類と選び方、DIY設置の方法

井戸水を汲み上げることができる井戸ポンプの中には家庭でも使えるタイプのものもあり、ネットショップや近所のホームセンターなどで購入することができます。

井戸ポンプが故障したので交換したり、新たに井戸を掘って井戸ポンプを設置したりしたいと考えている場合、井戸ポンプにはどのような種類があって、どのような観点で選んでいけばいいのかよく分からず、困ってしまうものと思います。

そこで今回は、家庭用の井戸ポンプの種類の解説から購入時の選び方、DIY設置の具体例まで詳しくお話していきます。

なお、自分で井戸掘りと井戸ポンプ設置を行いたい場合は、以下の記事が参考になると思います。

>>【完全保存版】素人1人でも出来るDIY打ち抜き井戸掘りマニュアル

>>【DIY井戸掘り】浅井戸ポンプを自分で設置する方法

>>【失敗する前に・・・】井戸水のメリットとデメリットまとめ

井戸ポンプの種類

井戸ポンプは、設置する井戸の深さ(地面に掘られた穴の深さ)によって使用できる種類が大きく分かれます。

  • 井戸の深さが8~9m以下
    →浅井戸ポンプ(手押しポンプ、電動ポンプ)
  • 井戸の深さが10m以上
    →深井戸ポンプ(ジェット式電動ポンプ、水中式電動ポンプ)

浅井戸ポンプについて

井戸の深さが8~9m以下の場合、ポンプが吸込み配管内の空気を吸い上げて配管内を真空にしていくだけで井戸水を地面上にあるポンプ可動部まで吸い上げてくることが可能です。

浅井戸ポンプの特徴

それに対して、井戸の深さが10m以上になるとただ配管内を真空にしただけでは井戸水は水面から8~9mほどしか上がることができない(ポンプが空気を吸い上げる力と井戸水が下に下がろうとする力が釣り合う)ため、井戸水を汲み上げることはできなくなってしまいます。

この井戸水の吸い上げメカニズムは手動タイプ井戸ポンプ(ピストンポンプ)でも同様で、最初に呼び水を入れて手でポンプを何度も動かさないと井戸水が出てこないというのは、吸込み配管内の空気を抜いて真空にしていく作業となっています。

井戸水の吸い上げ量については、井戸水の推移や井戸の深さなど条件によって変動しますが10~40L/分ほどになります。

電動井戸ポンプには井戸の深さが10m以上でも井戸水を汲み上げることができるタイプ(深井戸ポンプ)がありますが、手動井戸ポンプは井戸の深さが8~9mまでが限度となります。

裏技としては、手動ポンプに特殊な吸い上げ延長配管をつければより深いところからも水を汲み上げることは可能ですが、その分レバーを動かす力も重たくなりますので、現実的にはあまりおすすめできません。

浅井戸ポンプを選ぶメリットは、深井戸ポンプより価格が安く、消費電力も小さく、吸込み側配管(井戸に突っ込む方)も1本しかなく施工も簡単という特徴があります。

特に手動の井戸ポンプの場合は電源が不要となるため、災害が発生して停電した場合でも普段と同じように井戸水を汲み上げることができるのがメリットといえます。

>>【断水停電対策】電動浅井戸ポンプを車載タイプのインバーターで動かす方法

浅井戸ポンプのデメリットは、井戸深さが10m以上の場合は井戸水を吸い上げられないこと、手動の場合は井戸水を汲み上げるために力が必要ということが挙げられます。

特に手動井戸ポンプの場合、子供たちが遊びで砂や石を井戸ポンプの中に入れてしまってその度に井戸ポンプを掃除しなければならなかったり、レバー部分で手を挟んでしまって怪我をするという事もあったりします。

防災井戸としての活用はほとんど想定しておらず、井戸水を普段から頻繁に使うような場合は電動タイプの朝井戸ポンプを選んだほうがいいと思います。

ちなみに、井戸ポンプは使っていくうちに井戸水を汲み上げる部分のパーツが削れたりしてヘタってくるため、井戸深さが7~9mもあると取り付けて何年か経過すると井戸水が出なくなるということもあったりします。

ですので、井戸の深さが6mを超えてくるような場合は、浅井戸ポンプではなく深井戸ポンプ(ジェット式)の方を選んでおくというのも一つの手です。

深井戸ポンプについて

井戸の深さが10m以上の場合、浅井戸ポンプでは水を吸い上げることができないため深井戸ポンプで井戸水を汲み上げる必要があります。

その深井戸ポンプはジェット式と水中ポンプ式の2種類に分かれます。

ジェット式井戸ポンプ

深井戸ポンプの動作原理 (ジェット式)

ジェット式の井戸ポンプは、圧力管から送られた高圧の水がノズル部から高速噴射され、それに巻き込まれる形で井戸の底にある水を引っ張り上げる(ベンチュリ効果)ことにより吸込管から水を汲み上げるという仕組みになっています。

ジェット式の場合、吸込管から汲み上げた井戸水はまた圧力管から送り出されて新たに吸い出された井戸水と一緒に吸込管から戻ってくるという循環を繰り返しながら井戸水を汲み上げています。

ジェット式井戸ポンプの井戸水の汲み上げ量は5~30L/分程度で、汲み上げ高さは一般的には8~20mが主流ですが、浅井戸にも対応するタイプ(6~8m以内)のものも存在しています。

ジェット式井戸ポンプのメリットは、幅広い井戸の深さに対応することができることとなっています。

逆に、ジェット式井戸ポンプのデメリットは、圧力管に送る高圧水を作り出すためのポンプの作動音が大きいこと、消費電力が大きいこと、井戸に挿入する配管が2本になるため井戸の内径が大きい必要があること、同じ消費電力であれば次に紹介する水中ポンプ式の方が効率良く井戸水を汲み上げることが出来るということなどが挙げられます。

水中ポンプ式井戸ポンプ

深井戸ポンプの動作原理 (水中ポンプ式)

水中ポンプ式の深井戸ポンプは井戸の中にポンプ駆動部を入れ、井戸の下部から井戸水を押し上げるという仕組みで動いています。

水中の中にポンプを設置するという構造であるため、300m以上深いところからも井戸水の吸い上げが可能で、井戸水の汲み上げ量についてもポンプの出力や能力(ポンプの種類)を変えることで数十リットルから数千リットルまで対応することができます。

  • 低揚程(低圧力)&大水量の場合
    →渦巻ポンプ(ボリュートポンプ)
  • 高揚程(高圧力)&少水量の場合
    →渦流ポンプ(カスケードポンプ)

設置できる井戸のパイプ径はφ100~400mmとなっているため、あまりにも井戸の内径が小さい場合には設置することはできません。

この水中ポンプ式深井戸ポンプのメリットは、深い井戸にも対応出来るということ、大水量にも対応できるということ、動作音が小さいということ等が挙げられます。

逆に、デメリットとしては、あまりにも内径の小さな井戸には設置できないということ、水中ポンプが砂を吸い込んだり、また水中ポンプが異常に加熱してしまわないように井戸の形状や深さを工夫しなければならないという点が挙げられます。

具体的な井戸ポンプの選定方法

井戸ポンプの選定方法は、シチュエーションによって大きく2つのやり方に分かれてきます。

  • 既設井戸ポンプ故障による交換設置する場合
    →既設ポンプの型番や仕様書から交換用ポンプを選定する
  • 井戸掘りから井戸ポンプを新規設置する場合
    →井戸の深さや使用水量、電源の有無、許認可の確認など検討して選定する

井戸ポンプを「交換設置」する場合

井戸ポンプが故障したことによって井戸ポンプを買い換える場合、井戸ポンプの取扱説明書、仕様書などを参考にそれと同等の井戸ポンプを選んでいけばOKです。

取扱説明書をなくしてしまった場合は、井戸ポンプの本体に貼り付けられているシールに型番が記載されていますので、その情報をネット検索すれば取扱説明書や仕様書などを手に入れる事ができたりします。

注意しなければならない点としては、こういった各種仕様はほぼ同じでも配管の取り付け位置が違っていたり、電源配線長さなどが違っているということがよくありますので、その辺のチェックもしっかりと行っておいてください。

具体的な取り付け方としては、浅井戸ポンプやジェット式井戸ポンプの場合は井戸ポンプにつながる配管をそれぞれ取外して新しい井戸ポンプに接続し直すだけでOKです。

井戸ポンプが故障したので自分で交換した

井戸ポンプ交換後の初回運転時は呼び水をポンプ上部の注水口に入れて、電源を入れて2~3分ほど動かせば井戸水が出てくるようになります。

ただし、水中ポンプ式の深井戸ポンプの場合、井戸の底に水中ポンプがあり、その部分も交換しなければならないため、井戸上部を少し解体して水中ポンプを取り出して交換するという作業も加わります。

深井戸の場合、数十メートルの穴深さがあるため素人ではポンプを取り出すのはかなり難しくなってきますので、こういった場合は業者にお願いしたほうがいいと思います。

井戸水の出が悪くなったために井戸ポンプを交換しようと検討している場合、不具合の原因が井戸ポンプ以外にもある可能性があります。

以下の記事が参考になると思いますので、一度確認しておくことをおすすめします。

>>井戸ポンプが故障?急に井戸水が出なくなる5つの原因とその対処法

井戸ポンプを「新規設置」する場合

井戸ポンプの種類と選び方、DIY設置の方法

井戸ポンプを新規設置する場合は、交換設置する場合より少し考えるべきことが増えますが、家庭用の井戸ポンプの場合は選択肢がそこまで多いわけではないので、順番に考えていけば適切な井戸ポンプを選び出すことができます。

  1. 井戸深さで井戸ポンプのタイプを決める
  2. 吐出配管の内径を決める
  3. 電源電圧と周波数を決める
  4. インバータータイプまたは一定速タイプを決める

井戸深さで井戸ポンプのタイプを決める

まず、井戸の深さによって井戸ポンプのタイプを決めていきます。

  • 井戸深さが6m以内
    →浅井戸ポンプ(電動、手動)
  • 井戸深さが6~8m
    →ジェット式井戸ポンプ
  • 井戸深さが8~20m
    →ジェット式井戸ポンプ、(または、騒音が気になる場合は水中ポンプ式井戸ポンプも可能)
  • 井戸深さが20m以上
    →水中ポンプ式井戸ポンプ

井戸の深さが6m以内であれば、一般的な浅井戸ポンプ(電動または手動レバー)を選べばOKです。

井戸深さが6mを超えて8mぐらいの場合は、浅井戸ポンプでもなんとか井戸水を汲み上げることは可能ですが、使用条件によっては井戸水を汲み上げられなくなることがありますので、ジェット式の井戸ポンプを選んでおくのがいいでしょう。

井戸深さが8~20mの場合は基本的には価格が安いジェット式井戸ポンプ、騒音が気になる場合は少し高価になりますが水中ポンプ式井戸ポンプを選ぶのもいいと思います。

井戸深さが20mを超えてくるような場合、水中ポンプ式井戸ポンプを選ぶ必要があります。

吐出配管の内径と定格出力を決める

井戸ポンプを設置する際、井戸水の汲み上げ規制などクリアする必要があります。

>>【DIY井戸掘り】ポンプ設置や下水道排水に必要な申請許可まとめ

特に都市部などでは井戸水の汲み上げ規制が厳しいところが多いですので、一度上記の記事などを参考にお住いの地域の各種届出、許認可の内容を確認しておくのがいいでしょう。

一般的には井戸水汲み上げ規制の対象となるかどうかを判断するのは井戸ポンプの出力(消費電力ではない)と井戸ポンプの吐出側配管径となっています。

以下の条件を満たす井戸ポンプであれば、ほとんどの地域で届出など不要になリます。

  • 井戸ポンプ出力
    →300W以下
  • 井戸ポンプ吐出配管
    →6c㎡以下(内径の直径が27mm以下)、吐出側配管サイズが25AなどであればOK

このような視点を持って井戸ポンプの機種を大雑把に絞り込んでいくのがいいのではないかと思います。

最近ヤフオクなどで格安の浅井戸ポンプ(約15000円、中国製)が販売されていたりしますが、配管は25mm規格なのですが、出力が370Wになっているので、都市部など一部地域では規制に引っかかってくる可能性があります。

ものとしては価格の割に十分に使える商品でしたので、田舎など規制がない地域等の場合はそのような井戸ポンプを使っていってもいいと思います。

ちなみに、仕様書や井戸ポンプ本体に貼られている吐出側配管サイズ25Aというのは、塩ビ給水配管VP25(内径が25mmの配管)に接続していくことが出来るという意味です。

古いタイプの井戸ポンプの場合はそういうような表記になっていることが多いので、ここで理解しておきましょう。

電源電圧と周波数を決める

一般的な家電製品は電圧が100Vで周波数が50~60Hzであれば日本中どこでも使えるというものが多いですが、井戸ポンプの場合は電源電圧と周波数毎に製品が分かれています。

ですので、井戸ポンプに電源を供給するコンセントの電圧(単相100V、単相200Vなど)と、電源周波数(東日本;50Hz、西日本;60Hz)を確認して、それに適合した井戸ポンプを選んでいきましょう。

こういった電源コンセントの仕様についてはテスターを使って調べるのが一番確実ですが、以下の方法でも確認することができます。

電源電圧の調べ方

電源電圧の調べ方については、以下のようにコンセント形状から推定することができます。

コンセントの種類と形状 - 200Vコンセント・特殊形状コンセント

出典)コンセントの種類と形状 – 200Vコンセント・特殊形状コンセント|電気設備の知識と技術

電源周波数の調べ方

電源周波数については、以下のページで詳細を確認することができます。

電源周波数地域(50Hz地域/60Hz地域)について - お知らせ:シャープ

>>電源周波数地域(50Hz地域/60Hz地域)について|SHARP

最近では、どちらの周波数にも対応した井戸ポンプが多くなってきたので、電圧の方だけを気にしておけばいいような状況になってきています。

ただ、中古品を買う場合はまだ特定の周波数にしか対応していない製品があったりしますので、そういう場合は電圧だけではなく周波数についても注意するようにしましょう。

インバータータイプまたは一定速タイプを決める

井戸ポンプには、ポンプの回転数を変速することが出来るインバータータイプとポンプ回転数が一定の定速タイプが存在します。

インバータータイプは井戸水の蛇口開度に応じて井戸ポンプの回転数も随時調整してくれるため、様々な流量で使っても最終的に蛇口を閉じるまで井戸ポンプはずっと動きっぱなしというイメージです。

また常に全速運転する一定速タイプに対して、井戸ポンプはポンプ回転数を抑えることが出来るため、比較的少なめの流量で長い時間使うというような場合は省エネ効果も期待できます。

それに対して、昔ながらの一定速タイプの井戸ポンプはタンク内圧力が上がると止まり、タンク内圧力が下がると駆動するということを繰り返して井戸水を汲み上げていきます。

常に蛇口を全開にして使用するような場合は、一定速タイプも常に作動し続けるため消費電力はインバータータイプとそこまで変わらないのですが、蛇口を少し絞って使うような場合、一定タイプはON/OFFを繰り返してしまうため消費電力が大きくなってしまう傾向があります。

ただ、一定速タイプは価格が安く、構造もシンプルなので壊れにくいというのがメリットになります。

こういったことを理解した上で、使用条件や値段と相談しながら選んでいくといいでしょう。

井戸ポンプの具体的な設置方法について

ここからは、井戸ポンプの具体的な設置方法についてお話していきます。

井戸ポンプの設置は大きく分けて、以下の2STEPで進めていきます。

  1. 地下水が湧き出るところまで井戸を掘る
  2. 井戸ポンプを設置する

業者に井戸ポンプの設置を依頼した場合、井戸掘りと井戸ポンプの設置がコミコミの価格になることが多く、事前に見積もりすることでおおよその工事費用を知ることができます。

>>【最安値約20万円~】井戸掘りを業者に依頼するときの費用と注意点

この他に、やる気がある人であれば自分で井戸を掘って井戸ポンプを設置するという選択肢もあります。

その様子について以下に記載しておきますので参考にしてみてください。

井戸を掘る

井戸ポンプは地面の下を流れる地下水を汲み上げるためのポンプですので、井戸ポンプを設置するには地下水が出るところまで井戸掘りをする必要があります。

どれぐらいの深さまで掘り進めれば地下水が出るかということについては地域によって異りますが、近所に井戸や井戸ポンプがたくさん設置されているような場合は6~7mほど掘れば井戸水が出ることが多いと思われいます。

それぐらいの深さであれば、打ち抜き井戸という工法で、太めの塩ビパイプの鞘管と自作の井戸掘り器を使って井戸を掘っていくことが可能です。

具体的な井戸掘りの方法が知りたい場合は、以下のページが参考になると思います。

>>【完全保存版】素人1人でも出来るDIY打ち抜き井戸掘りマニュアル

>>【DIY井戸掘り】自作井戸掘り器の作り方や使い方まとめ

井戸ポンプを設置する

井戸が掘れたら井戸ポンプの設置となります。

掘った井戸に給水ホースを挿入し、それを井戸ポンプに接続します。

そして、吐出側にも塩ビパイプで配管を取り付け、蛇口を設置していきます。

あとは電源コードをコンセントに繋ぎ、井戸ポンプに呼び水を入れて始動すれば井戸水を汲み上げることができます。

このような流れで自分で井戸ポンプを設置していけば、4~5万円程度で井戸水が使えるようになります。

具体的な井戸ポンプの設置方法については、こちらの記事が参考になると思います。

>>【DIY井戸掘り】浅井戸ポンプを自分で設置する方法

井戸水のメリットのまとめ

まずは、井戸水のメリットからお話していきます。

水道の20分の1の料金で使える

井戸水はポンプをくみ上げる電気代が必要なだけなので、水道のように高い料金を支払う必要がありません。

例えば三重県鈴鹿市の場合、2ヶ月間で80㎥の水道を使った場合・・・

鈴鹿市水道局料金計算

出典 水道料金等シミュレーション

水道の場合は、ほとんどの地域で蛇口から出た水が全て下水道に流れ込む想定のもと、上水道の料金と共に下水道の料金も徴収される場合がほとんどです。

例えば、庭の散水や洗車、水遊びなどに使った水で下水道に流れない場合でも、このシミュレーションのように下水道の料金が発生しています。

でも、井戸水を使っていれば上水道の料金がかからないのはもちろんのこと、下水道に井戸水を流さなければ下水道の料金も発生しません。

一応、井戸水を80㎥をくみ上げるのに必要な電気代を計算してみると・・・

低価格で手に入れた浅井戸ポンプをDIY設置

出典)Yahoo!オークション

  • 型式;PG-203A
  • 定格消費電力;400W
  • 定格揚水量;25L/min
  • 必要電力量;21kWh/80㎥
  • 必要電気料金;469円/80㎥(22円/kWh)

水道の場合(22365円)と比較すると、約20分の1の電気代で済むことがわかります。

つまり、水道水の代わりに井戸水を使えば使うほど、水道料金の節約につながります。

私の家に井戸を設置する前と、設置した後の水道料金の推移はこちらにまとめてありますが、庭などで子供が水遊びを沢山する夏場は水道料金が約半額、それ以外の時期であれば約30%の節約となっています。

5000円で買える大型のビニールプールで泳ぐ子ども

水温が年中一定

地下数メートル~数十メートル程度の地下水温は、年中ほぼ一定の水温と言われています。

でも、本当にそうななのと思って、実際に私の家の水道水と井戸水の温度を年間を通して測定してみると、本当に井戸水の温度が年間を通して一定であることが確認できました。

一般の水道水は地表近くを通って来るので、夏は暖かく、冬は冷たいのが普通ですが、井戸水は水温が一定なので、夏は冷たく、冬は暖かく感じます。

この夏は冷たく、冬は暖かい地中熱を家庭用のエアコンやエコキュートなどのヒートポンプシステムに活用する事で、電気代を大幅に削減する事が出来ます。

水のカルキの臭いが無く、おいしい

水道水は消毒のために、塩素(カルキ)が含まれていて、独特の塩素の臭いがあります。

日本の地下水(井戸水)は、一般的に良質な軟水が多く、井戸によってはそのままで飲んでも問題の無いものが多いといわれています。

つまり、井戸水はおいしいということ。

また、カルキが無いということは、井戸水は肌にも優しく、目を洗っても充血することがありません。

特に、塩素はアトピーと深い関係がある可能性がありますから、健康のためにも井戸水を活用するのも良いでしょう。

■アトピー世界旅行記
http://atopy-worldtrip.com/

なお、井戸水がきれいな水かどうか検査する方法については、こちらの記事で紹介しています。

>>井戸水の水質検査を受けるための具体的な方法とその費用

断水のときにも困らない

井戸水は地下水を汲み上げているため、水道が断水してしまっても井戸水で代用することができます。

断水の原因の多くは雨がふらず、水道水の元となるダムなどの水がなくなってしまうためですが、稀に寒波による水道管破裂による断水などもあったりします。

>>平成6年渇水|ウィキペディア

>>記録的寒波水道管破裂、断水5万6000世帯に自治体や陸自が給水/長崎|毎日新聞

自宅に井戸があれば、こういった際にもとりあえずの水を確保することができるので安心です。

災害時の防災井戸として活用できる

井戸水のメリットとして忘れてはいけないのが、災害時の防災井戸として活用できるということです。

現在、非常用の備蓄として蓄えられている水は清潔な飲用水が多く、災害時にそのきれいな限られた水をトイレの掃除などといった衛生管理に回すことは出来ません。

実際に、阪神淡路大震災や熊本地震でもトイレや手洗いようの衛星用水が不足しているようです。

阪神大震災では、約900人が震災をきっかけに体調を崩すなどして死亡した震災関連死と認定されている。

死因の3割程度が心筋梗塞や脳梗塞とされ、昨年設置された県の有識者会議が「トイレを我慢して水や食事をとらなかったため、血液の流れが悪くなって心臓に負担をかけたことも影響している」と指摘。

避難所の災害用トイレ対策を求めていた。

引用)2014年12月28日 朝日新聞

野坂さんによると、熊本市東区で避難所となっている市立桜木中学校では断水が続いており飲料水の確保が難しく、近くにある民家の井戸水から手分けして水を汲み上げペットボトルに詰めて分け合っているという。

また、トイレに使う水は別の造園業の方のところから井戸水を引いてきたのをバケツに入れてまかなっており、避難者の皆さんが手分けをして水を汲み出す様子を写真や動画に収め送ってきてくれた。
野坂さんは「民家の方々の善意で水がなんとか確保できている」と話す。

出典)【避難所からのメッセージ】熊本地震 水が足らず民家の井戸水利用も|Yahooニュース

井戸を掘っても綺麗な水(飲用水)が出るかどうかは分かりませんが、そこまで綺麗な水が出なかったとしても、このような災害時のトイレや手洗い用に活用できると考えれば、「綺麗な水が出なかったので井戸を掘って失敗した・・・」という自責の念にかられることも減るのではと思います。

ちなみに、非常時に車載インバーターを使って電動井戸ポンプを動かす方法については、こちらの記事が参考になると思います。

>>【断水停電対策】井戸ポンプを車載タイプのインバーターで動かす方法

井戸水のデメリットのまとめ

続いては、井戸水のデメリットについてお話していきます。

井戸水が汚れている場合がある

全ての井戸からくみ上げられる井戸水がきれいというのは、間違いです。

井戸水の水質は、時と場合によって変化します。

例えば、家の近くに工場や畑がある場合、そこから井戸水に環境汚染物質が流れ込んでいる可能性があります。

このことに関する記事がありましたので、紹介しておきます。

昨年11月12日から22日に県が市と合同で行った井戸水の地下水汚染調査では、16カ所から調査対象の10物質中、トリクロロレチレン、テトラクロロエチレン及びシス-1,2-ジクロロエチレンの3物質が環境基準を超過して検出された。調査対象地域は尼寺工業団地から南東方面にかけ、小鮎川、恩曽川、相模川に囲まれた地域を中心とした56カ所(事業所27カ所・民家29カ所)。

このうちトリクロロエチレンについては10カ所(事業所6か所・民家4カ所)、テトラクロロエチレンについては8カ所(事業所6カ所・民家2カ所)、シス-1,2-ジクロロエチレンについては1カ所(民家1カ所)で環境基準を超えた数値が見られた。

同地区の地下水については、平成7年に3物質を対象にした調査を行なっており、各調査地点は27カ所が重複しているが、それぞれの物質ごとの結果を比較すると、最高濃度や平均濃度で数値の低下が認められた。

県では環境基準を超えた事業所のうち、過去に超過物質の使用実績がある事業所については浄化対策を実施中で、その他の事業所についても使用の際には高度処理を行なって水質をチェックするなどの対応を指導している。また、民家の井戸水については、直ちに健康影響が懸念されるレベルではないが、汚染が判明した井戸水は沸騰させて飲むなど、直接飲用に供しないよう指導を行なっている。

  • トリクロロエチレン;無色透明の液体で、皮膚や目に対して刺激性を有する。中枢神経系に影響を及ぼし発ガン性を示す。
  • テトラクロロエチレン;無色透明のややクロロホルムに似たエーテル臭を有する液体。強い麻酔性を示し肝臓などの器官に障害を起こし発ガン性を示す。
  • シス-1,2-ジクロロエチレン;特徴的な臭気を有する無色透明の液体。蒸気の吸入によりめまいや脱力感、嘔吐などの症状を呈する。高濃度では中枢神経に影響を与える。

出典 県と市が地下水調査 数ヵ所で環境基準を超える汚染物質検出
http://www.kawara-ban.com/020115.html

■土壌汚染・地下水汚染、有害化学物質
~井戸水の汚染に要注意。対策として農薬使用量の削減などが進んでいる~
本市では、過去に地下水汚染が発生しており、現在でも市内の一部の井戸水で汚染が確認されています。これらの汚染については、継続してモニタリングを行っています。 土壌・地下水汚染対策としては、環境保全型農業の導入や適正な肥料の使用、農薬散布から性フェロモン剤等への転換による農薬使用量の削減が進み、事業開始前(平成 9 年度)に比べて 1 割程度低減されました。 また、特定化学物質*を使用する工場・事業場等の把握及び適正管理指導や、建築資材等による化学物質過敏症*防止のための建築指導、公共建築物における化学物質を放散する資材の使用抑制などを行っています。

出典 厚木市の現状と課題

このほかにも、昔ながらの家が多い地域などでは下水が地下水に混入していたり、最近の調査では井戸水の中にピロリ菌がいる可能性があることも分かってきています。

特に井戸水を飲用として活用する場合は、事前に水質検査をしたり、または高機能な浄水器を設置するなど、何か対策をしたほうが安心です。

井戸水の具体的な水質検査の方法については、こちらの記事が参考になると思います。

>>井戸水の水質検査を受けるための具体的な方法と費用相場まとめ

停電の場合に水が出なくなる

水道の場合は、家が停電になっていても給水設備が停電になっていなければ、蛇口から水道水が出ますが、一般的には井戸ポンプは手動ではなく、電動のものを設置する事が多く、停電になった場合井戸ポンプが動作しないため、水が使えなくなります。

ただし、家に発電機や太陽光発電がある場合は、そこから井戸ポンプに電気を送れば、停電の時でも井戸水をくみ上げることが出来ます。

井戸水のみで生活用水をまかなうのであれば、停電時の対策も考えておく必要があります。

ちなみに、非常時に車載インバーターを使って電動井戸ポンプを動かす方法については、こちらの記事が参考になると思います。

>>【断水停電対策】井戸ポンプを車載タイプのインバーターで動かす方法

井戸掘りや給水設備の設置にお金がかかる

井戸水を使い始める時は、まず井戸を掘り、給水設備(井戸ポンプや水道配管など)を設置する必要があります。

業者に頼んだ時の相場として、井戸掘りの場合は20万円から(浅井戸)、そして深井戸の場合は100万円近くする場合もあります。

また、給水設備を設置するのに数十万円必要になるので、大きな出費となってしまいます。

ただ、それらの費用のほとんどは人件費で、井戸掘りと給水設備を設置で必要となる材料費は、おおよそ10万円程度なので、可能であればDIYで井戸掘りと給水設備の設置していったほうが、初期費用を相当安くできます。

自分で井戸掘り&井戸ポンプを設置する具体的な方法については、こちらの記事が参考になると思います。

>>【完全保存版】素人1人でも出来るDIY打ち抜き井戸掘りマニュアル

>>【DIY井戸掘り】浅井戸ポンプを自分で設置する方法

井戸の水量が足りない場合がある

井戸水の水量は、井戸の形式(深さや井戸の面積など)や井戸の場所によって変ります。

井戸から少ししか水が出なかった場合、全自動洗濯機やタンクレス式のトイレなどがうまく作動しないことも・・・

ただ、豊富な井戸水が出るかどうかは、井戸を掘ってみないとわからないのが現実なので、それをどのように考えるかはあなた次第。

井戸掘り業者によっては、井戸水が出なかった場合は料金が発生しない成功報酬型のプランがあるところもあるので、そういったプランを一度検討してみるのもいいかもしれませんね。

井戸ポンプの保守点検が必要

井戸水を電動ポンプでくみ上げている場合、定期的に保守点検を行う必要があります。

砂濾器(すなこしき)と呼ばれる部品(約1万円)を井戸ポンプ手前の配管に設置しておけば、砂をポンプの中に巻き上げることもなくなります。

>>【井戸ポンプ】砂こし器を自作する方法

洗濯物が黄ばんだり、黒ずんだりする

鉄やマンガンを多く含んだ井戸水を洗濯に使った場合、洗濯物が黄ばんだり黒ずんだりする事があります。

良い水を追い求めて深井戸を掘った場合、金属が井戸水に溶け込んでいることが多いのでこのような現象がよく起こります。

特に鉄を多く含んだ井戸水のことは「かなき」や「そぶ」と呼ばれ、井戸水の相談ではトップになっています。

除鉄装置(数十万円+ランニングコスト)を設置するなどの方法がありますが、それなら水道水を使ったほうが明らかに安くつきます。

どちらかと言うと、井戸水の中に金属類が溶け込みにくい浅井戸を掘る方がいいのかもしれませんが、それも地域によって当たりはずれがあるので、結局のところ井戸を掘ってみないと分かりません。

ちなみに、井戸水を使うと洗濯機のメーカー保障(約一年間)の保障外になることも頭の片隅に入れておきましょうね。

洗濯&風呂ため同時使用で洗濯機の給水エラー

洗濯機の給水エラー

井戸ポンプの場合、井戸水でお風呂をためたりしている時に、全自動洗濯機で洗濯をしようとすると給水エラーが出たりします。

「給水エラー」は、一定時間以内に給水が行われない場合に発生するエラーで、お風呂にばかり井戸水が流れて、洗濯機になかなか水が入っていかないようです。

水道と比べて井戸ポンプから送られる井戸水は水圧が低いのが原因です。

洗濯とお風呂ためは時間をずらして別々にしなければならないので、少し不便さを感じています。

蛇口から細かな砂がでる

井戸水の場合に蛇口から出る砂

水道とは違って、井戸水の場合は蛇口から細かな砂が出てきます。

DIYで作った砂濾し器を井戸ポンプと井戸の間に設置はしているのですが、そこで使っているメッシュより細かい砂がその砂濾し器を通り抜け、蛇口から出てきます。

洗濯機の給水口に砂が詰まる

井戸水を洗濯に使う場合は、洗濯機の給水口についているメッシュを綿棒などで定期的に掃除する必要があります。

最後に一言

今回は、井戸ポンプの種類と選び方、DIY設置方法まとめについてお話しました。

井戸ポンプには色んな種類があってよくわからないことも多いと思いますが、一つ一つ理解していけば適切なポンプを選べるようになっていきます。

ただ、予算にゆとりがあって時間があまりないような人の場合は、業者に来てもらって井戸ポンプを取り付けてもらうのが一番安心です。

ですが、どうしても予算的に余裕がなかったり、自分で設置するのが好きでやってみたいという場合は、浅井戸であればDIYも可能ですので、是非この記事を参考に挑戦してみて下さい。

それでは!

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