井戸水に含まれているカルシウムなどの硬度成分が配管内に蓄積して詰まる
地下水や井戸水には一般的にカルシウム等の硬度成分が含まれています。
地下水を原泉としている水道の場合、硬度が定められた数値以下になるような地下原泉から水を汲み上げていますが、家庭にある井戸の場合、井戸の設置場所や深さによっては、高い硬度の井戸水が出ている場合があります。
その井戸水をエコキュートに流し込んで長期間使っていると、配管内にスケール(カルシウム分などの白い塊)詰まりが原因で故障する可能性があるため、メーカーが井戸水を使うエコキュート設置をおすすめできなかったのが現状でした。
ヒートポンプの熱交換器によって水を加熱する際に、カルシウム等のスケール成分が高温の熱交換器内で析出し、固着して流露が閉塞する懸念があるため、 井戸水や高硬度の水道水の仕様への対応が課題となっていた。
エコキュートで井戸水に対応したメーカー
近年では、井戸水専用のエコキュートが発売されたり、ユーザーが自宅にある井戸水を水質検査し、メーカー独自の水質判定基準を満たすことができれば、従来のエコキュートを使用できるようになったりしてきました。
ダイキン工業のエコキュートの井戸水対応について
水質検査に合格した井戸水を使用した場合、水熱交換器のスケール詰まりなどの故障に対しても、3年間保証(メーカー保証)がついているので、井戸水でもエコキュートを使うことが出来るようになりました。
水熱交換器については据付後3年間を保証します。地下水・井戸水が原因でヒートポンプユニット内の水熱交換器の水路が閉塞し、運転が停止した場合無償修理を行います。製品の保証期間は一般地での保証と同様です。(タンク缶体5年、冷媒系統3年、その他の部品は1年)
日立のエコキュートの井戸水対応について
日立の井戸水対応のエコキュートの場合、エコキューとタンクの水を熱源としてのみ使用し、井戸水は別回路の熱交換器で加熱されるため、スケールつまりによる故障が低減されています。
ただ、ダイキン工業と同様に水質検査をする必要はあります。
■水質を確認してください
水は飲料水の水質基準に適合し、遊離炭酸:60mg/L以下、硬度:200mg/L以下の水をご使用ください。水質(遊離炭酸・硬度)を調べるための「簡易水質チェックキットWQC-KIT(別売)」を用意していますので、水質を確認してください。水質チェックシートは、保証書とあわせて保管してください。
Panasonicのエコキュートの井戸水対応について
パナソニックのエコキュートの場合、2011年4月以降に発売されたエコキュートに限って、メーカー独自の水質検査に合格すれば、井戸水を使用してもOKになりました。
このように、各社が井戸水に対応したエコキュートを発売し始めましたが、その反面、井戸水エコキュートにはいくつかのデメリットがありますので、そのことを知っておく必要があります。
続いては、井戸水エコキュートのデメリットについてお話していきます。